エチオピア旅行 No. 3 古都アクスムその2~シバの女王の宮殿跡、シオンの聖母大聖堂
エザナ王の碑文を見た後は、シバの女王関連の遺跡を巡りました。
まずは「シバの女王の浴槽跡」へ。響きは何となく艶めかしいですが…
整備されているため、全く遺跡に見えません。
地元の子どもたち(と一部成人男性)はマッパで泳いでおりました(笑)
唯一、シンメトリーが素敵なヤギに目を奪われました。
女王への恭順の意を示しているかのようです。
…向かう先はマッパの地元の子どもたち(と一部成人男性)ですが。
その後、「シバの女王の宮殿跡」へ。
旧約聖書に登場する「シバの女王」は現在のイエメンからエチオピア一帯を支配しており、石積みの遺構から類推して、当地の王宮は3,250k㎡にも及ぶとされております。
現在露出している遺構はシバの女王の時代よりも後のもので、建造年はBC7~5世紀説と3~6世紀説があるそうです。よって、歴史的検証についてはまだまだと言う事になります。
当時は3階建てで50もの部屋がある宮殿だったそうですが、今は見る影もありません。
穏やかな農村にあります。
不思議な樹
街に戻り、シオンの聖母大聖堂を訪問します。
訪問当日は礼拝が14時まで行われており、教会の周りで1時間ほどぼんやり過ごしました。
シオンの聖母大聖堂には、モーゼの十戒を納めたアーク(聖櫃)があるとされます。伝承によると、アークはシバの女王とソロモン王(イスラエル王、在位BC971年〜BC931年頃)の子であるメネリク1世がイスラエルから持ち帰ったそうです。
木陰で涼やかな風に身を任せていると…またしても遠くから「ハロー!」の声が…
裸足の女の子が、不敵な笑顔を浮かべて僕を見ておりました。元気よく「ハロー!」と返し、すかさず「写真撮って良い?」と日本語で聞きつつ、カメラを構えます。
お姉ちゃんはシャイでしたが、妹はノリノリ。
素敵な笑顔を頂きました!
14時になり、中に入っても良いとの事。
まだ儀式が行われておりましたが、家族写真を撮影する方や、スペイン人観光客などもいたため、一安心。
こちらの教会は20世紀にハイレ・セラシエ1世(エチオピア帝国のラストエンペラー)が建造した教会。奥に16世紀にファシリダス帝が建造した旧シオン・マリア聖堂があり、そちらは女人禁制ですが、こちらは男女両方が入れる教会です。
奥の教会は16世紀の創建だけに、時に研磨された重厚感が漂います。
少しの間なら中に入っても良いとの談で、幸運にも中を見る事ができました!
教会内は、500年以上女人禁制と言う事もあってか、独特の空気が漂っておりました。
しかし、出ようとしたところ、入り口の扉だけでなく他の扉も施錠され、中には人気が無く、焦りました。無音の中、独特の空気感を肌に感じます。扉を片っ端から調べ、空いている扉を見つけて、脱出できました。
ドライバーと合流し、いざメケレに帰還!
道中の風景は雄大で、眺めていて飽きませんでした。
正面の山はイタリアとの戦争で、イタリアを破った舞台の山。
そう、エチオピアはイタリアに侵略されながら、破った国なのです。
車中で揺れながらの撮影なので見苦しい写真ですが、途中、雰囲気のある街を通りました。
ドライバーのおかげで、19時頃にメケレに戻ってこれました。
しかし、部屋に戻ること無く、夕飯を求めて街を歩きます。
ついさっき車の窓から見て気になったお店まで、歩いて引き返しました(笑)
入り口にガードマンが居て驚きます。
店内は広大!しかもステージがあり、音楽の演奏があるようです。それはそれで気になりましたが、各テーブルの上の料理に目を走らせたところ、トュブスのみでした。大変美味しそうなトュブスでしたが、敢えてここは撤退。限られた日にちの中でエチオピア料理を味わうべく、他の料理を提供しているお店を探します。
別の良さげなお店を発見。海外でも、お店を探す際の「選球眼」は日本とあまり変わりません。美味しいお店は自ずと美味しい空気を放っておりますので。
こちらもガードマンが居ますが、暇そうです(笑)
店内も空いておりますが、雰囲気があり、清潔感も十分。
とりあえずビール。このHabeshaと言うビールもエチオピアでポピュラーなビールです。Dashenよりも苦味が強めで、麦の香りもあります。
料理を頼もうとしたところ、メニューが無いとの事。よって、事前に調べていた料理で、羊肉の煮込みである【バグ・ワット】を頼みました。
器に入っていたのですが、店員さんが親切心ですかさずインジェラに掛けてくれました。カメラを構えて撮ろうとしたのですが、サービス精神旺盛で間髪入れずバシャッと(笑)
【バグ・ワット】は羊肉の旨味が強くて美味しいです。スパイスはコリアンダーが強めで、生のローズマリーも少々。ここのインジェラは酸味が少し強めでした。単体で頂くとクセがあるものの、【バグ・ワット】との相性は良好です。
もちろんバルバリも供されます。
入り口近くにある厨房。
途中からお客さんも増えて、心地よい賑々しさの中で食事ができました。
翌日からのダナキルツアーに備え、早寝しました。